jacques-genin: ジャック・ジュナン-フランスが誇るトップ・チョコレート職人
ジャック・ジュナン——
独学が生んだ、味覚の天才
フランスのチョコレート界で非常に高い評価を受ける職人、ジャック・ジュナン(Jacques Genin)。洗練されたデザインと卓越した味覚の融合で、チョコレートファンやグルメたちの間で一目置かれる存在です。
波乱に満ちた、独学の道のり
1959年頃、フランス東部ヴォージュ地方に生まれたジュナン。12歳で家を出て、13歳から食肉解体場で働くという、厳しい少年時代を過ごしました。19歳で故郷を離れ、料理の世界へ。独学でシェフとしての腕を磨いた後、名店「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」で創業者ロベール・ランクスのもとチョコレートの技術を学びます。1996年、パリ15区に自らの工房を構え、クリヨン、プラザ・アテネ、ル・ムーリスなど200を超える一流ホテル・レストランにチョコレートやキャラメルを供給する存在へと成長していきました。
「フォンドゥール・アン・ショコラ」という、独自の肩書き
ジュナンは自らを「ショコラティエ」ではなく「フォンドゥール・アン・ショコラ(chocolatを溶かし直す者)」と名乗ります。ヴァローナなど信頼するクーベルチュールメーカーから理想のカカオ豆と焙煎で作られたチョコレートを仕入れ、それを金属の鋳造のように「溶かし直す」ことで、独自の味わいを作り出すという意味です。甘さを極力抑え、カカオ本来の力強さを損なわない絶妙なバランスは、彼ならではの哲学の結晶といえます。
マレ地区に開いた、待望のブティック
15年にわたり一流シェフや高級ホテルの裏側で腕をふるってきたジュナンが、初めて一般客の前に姿を現したのは2008年、パリ・マレ地区のブティックをオープンしたときのことでした。石造りのヴォールト天井が広がる200平方メートルの店内は、まるで美術館のような佇まい。訪れる人々は、ここで彼の世界に没入することができます。
キャラメルと、手作りのガレット・デ・ロワ
チョコレートと並ぶ人気商品が、パート・ド・フリュイとキャラメル。フルーツの自然な甘さや酸味、なめらかで濃厚なキャラメルの味わいは、他に類を見ない完成度です。1月のシーズンには、生地作りから具材の充填まですべてを一人で手がけるガレット・デ・ロワを年間4,000個以上焼き上げるという、驚くべき職人魂も彼の代名詞となっています。


