やわらかな白い生地に、香ばしいアーモンドやピスタチオがぎっしり。フランス南部を代表する伝統菓子「ヌガー(nougat)」は、素朴でありながら上品な味わいで、何世紀にもわたって愛されてきました。
この記事では、ヌガーとはどんなお菓子なのか、その歴史や種類、そして本場モンテリマールのヌガーの特徴をご紹介します。
ヌガーとは、はちみつと砂糖を煮詰め、泡立てた卵白を加えて練り上げた生地に、
アーモンドなどのナッツを混ぜ込んで固めた、フランス南部の伝統菓子です。
目次
- ヌガーの材料と作り方
- ヌガーの歴史
- 本場モンテリマールのヌガーとは
- ヌガーの種類(白いヌガー・黒いヌガー・ヌガティーヌ)
- 台湾ヌガー・マシュマロヌガーとの違い
- ヌガーのおいしい楽しみ方
Chapitre 1
ヌガーの材料と作り方
◆
フランスの伝統的なヌガーの材料は、とてもシンプルです。はちみつ、砂糖、卵白、そしてアーモンドやピスタチオなどのナッツ。はちみつと砂糖をじっくり煮詰めたシロップを、固く泡立てた卵白に少しずつ加えて練り上げることで、白くふんわりとした独特の生地が生まれます。
最後にローストしたナッツを混ぜ込み、型に流して冷まし固めたら完成です。煮詰め具合によって、歯ざわりのよい「ハードタイプ」にも、ねっとりとやわらかな「ソフトタイプ」にも仕上がります。
Chapitre 2
ヌガーの歴史
◆
はちみつとナッツを合わせたお菓子は、古くから地中海沿岸で親しまれてきました。フランス南東部の町モンテリマールでは、16世紀ごろから周辺にアーモンドの木が植えられるようになり、それまで使われていたクルミに代わって、アーモンドがヌガーの主役になっていきます。
モンテリマールの記録に「ヌガー」の名が初めて登場するのは1701年のこと。以来、ヌガーは貴族への贈り物としても重宝され、町を代表する名物として知られるようになりました。
Chapitre 3
本場モンテリマールのヌガーとは
◆
フランスでヌガーといえば、まず名前が挙がるのが「ヌガー・ド・モンテリマール(Nougat de Montélimar)」です。2024年には、EUの地理的表示保護(IGP)に登録され、その名を名乗るためには厳しい基準を満たす必要があります。
- 泡立てた卵白で軽く仕上げた、白からクリーム色の生地であること
- 甘味料のうち、はちみつが25%以上を占めること
- アーモンドが30%以上(またはアーモンド28%以上とピスタチオ2%以上)含まれること
- 添加物を一切使用しないこと
- モンテリマールを中心とした指定地域で作られること
乾燥した晴天の多いこの土地の気候は、ベタつかない上質なヌガー作りに理想的なのだそうです。はちみつとアーモンドの繊細な香りが調和した味わいは、まさに本場ならではのものです。
Chapitre 4
ヌガーの種類
◆
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 白いヌガー (ヌガー・ブラン) |
卵白を加えて白くふんわりと仕上げた、もっとも一般的なヌガー。モンテリマールのヌガーもこのタイプです。 |
| 黒いヌガー (ヌガー・ノワール) |
卵白を使わず、はちみつをキャラメル状になるまで煮詰めて作る、プロヴァンス地方の伝統的なヌガー。カリッとした歯ごたえと香ばしさが特徴です。 |
| ヌガティーヌ | キャラメリゼした砂糖に砕いたアーモンドを合わせ、薄くのばした板状のお菓子。ヌガーという名前ですが、食感はパリッと軽やかです。 |
クリスマスの「13のデザート」
プロヴァンス地方では、クリスマスイブの夜に13種類のデザートを並べて祝う伝統があります。白いヌガーと黒いヌガーは、その中に欠かせない定番。フランスでは、ヌガーはクリスマスを象徴するお菓子でもあるのです。
Chapitre 5
台湾ヌガー・マシュマロヌガーとの違い
◆
日本でも人気の「台湾ヌガー」や「マシュマロヌガー」は、マシュマロ、バター、ミルクパウダーなどを溶かし混ぜて作る、まったく別のスタイルのお菓子です。ミルキーでやわらかな甘さが魅力で、ご家庭でも手軽に作れることから広まりました。
一方、フランスの伝統的なヌガーは、はちみつと卵白、ナッツだけで作るシンプルなもの。はちみつの豊かな香りと、ローストしたナッツの香ばしさを存分に味わえるのが特徴です。同じ「ヌガー」という名前でも、ぜひ食べ比べてみてください。
Chapitre 6
ヌガーのおいしい楽しみ方
◆
ヌガーは、薄く切ってコーヒーや紅茶と一緒にいただくのがおすすめです。ソフトタイプは常温でそのまま、ハードタイプは少しずつ割りながら、ゆっくりと味わってください。食後のデザートやワインのお供にもよく合います。
湿気と高温を避けて保存すれば、日持ちもしやすいお菓子です。個包装のものは、ちょっとした手土産やクリスマスの贈り物にもぴったりです。
