パリ旅行で必ず訪れたい場所のひとつが、芸術と歴史が息づくモンマルトルの丘です。サクレ・クール寺院から広がるパリの絶景はもちろん、石畳の道やアトリエが残る街並みは、まるで19世紀にタイムスリップしたような雰囲気を漂わせています。モンマルトルは画家ピカソやゴッホも過ごした芸術家の街として知られていますが、実は美食の宝庫でもあります。丘のふもとから頂上までの散策中には、地元の人々に愛されるパン屋やパティスリー、カフェやワインを楽しめるお店が点在しており、観光とグルメを同時に楽しめるのが魅力です。
ジル・マルシャルのパティスリーで味わう極上スイーツ
モンマルトルに来たらぜひ立ち寄りたいのが、パリを代表するパティシエ、**ジル・マルシャル(Gilles Marchal)**のブティックです。彼はリッツやラデュレといった名門で腕を磨いた後、自身の店を開きました。ショーケースには、季節のフルーツを贅沢に使ったタルト、見た目にも美しいエクレア、伝統的な焼き菓子などが並び、甘い香りに誘われてしまいます。
特におすすめは、ふわっと軽やかなメレンゲのお菓子と、濃厚でなめらかな**flan(フラン)**です。メレンゲは外側がカリッと、中はふんわりとしており、シンプルながらも素材の良さが際立ちます。フランはフランスの家庭で昔から親しまれてきたクラシックなデザートで、ジル・マルシャルのフランはバニラの香り豊かで、ひと口ごとに幸せを感じられる味わい。観光の合間に立ち寄り、ショコラや紅茶とともにゆっくり味わうのがおすすめです。
ブーランジェリー・イアナックの本格派パン
モンマルトルの地元住民に愛されているのが、ブーランジェリー イアナック(Boulangerie Ihnac)。フランスのパン文化を感じたいなら、ここは外せません。石窯で焼き上げられるバゲットは香ばしい香りとパリっとしたクラストが特徴で、シンプルながら噛むほどに小麦の旨味が広がります。
観光客に人気なのは、具材をたっぷりはさんだフランス パン サンドイッチや、定番のバケット サンドです。ハムとチーズだけのシンプルな組み合わせでも、素材の良さとパンの味わいが際立ち、日本では味わえない本場の魅力を実感できます。購入したサンドイッチを片手に、モンマルトルの丘を登りながら景色を眺めれば、それだけで忘れられない思い出になります。
フランス文化に欠かせない「アペリティフ」とは?
美食を語るうえで外せないのが、フランス人の生活に根づいたアペリティフとは何か、ということ。アペリティフ(apéritif)は「食前酒」を意味し、夕食の前に軽いアルコールとおつまみを楽しむ習慣です。必ずしもワインである必要はなく、カクテルやリキュール、またはジュースが選ばれることもあります。
フランス人にとってアペリティフは、食事を始める前の大切なひととき。友人や家族と会話を楽しみながらリラックスする時間であり、単なる飲み物以上の文化的意味を持っています。旅行者にとっても、モンマルトルのカフェやバーでアペリティフを体験することは、フランス人の暮らしを垣間見る絶好のチャンスです。
冬の名物、温めるだけのホットワイン
寒い季節にパリを訪れるなら、ぜひ味わいたいのがホット ワイン 温める だけで楽しめるヴィン・ショー(Vin Chaud)です。赤ワインにシナモン、クローブ、オレンジピールなどを加えて温めた飲み物で、クリスマスマーケットの屋台では必ずといっていいほど登場します。
モンマルトル周辺でも冬になると、ホットワインを手にして散策する人々を多く見かけます。カップから立ち上るスパイスの香りとともに、冷えた体が芯から温まる感覚は格別。テイクアウト用に販売されている「温めるだけ」のボトルやパックを購入すれば、旅行中の宿泊先でも気軽に楽しむことができます。寒い冬の散策を彩る一杯は、まさにパリの冬の風物詩です。